先に結論: 私が本格的な暴落を経験したのはコロナショックですが、意外にもあまり怖くありませんでした。理由は「使う予定のない余裕資金でやっていた」「利益のクッションがあった」「どうせそのうち戻ると思えた」の3つ。ただし、焦って暴落の序盤に余裕資金を入れすぎてしまい、本当に一番下がった局面では資金が足りない、という失敗もしました。そこから学んだのは、あせらない・狼狽売りしない・余裕資金は計画的に段階的に・生活防衛資金は絶対に投資に入れないということです。
暴落と聞くと、多くの人が「怖い」「一気に資産が半分に」というイメージを持つと思います。実際に経験するとどうなのか——オルカンの暴落を過去データで見る記事では「データ」で解説しましたが、今回は私自身が、実際に暴落を食らったときに何を感じ、どう動いたのかを、正直にお話しします。
見栄を張らず、失敗も含めてありのまま書きます。これから初めて暴落を経験するかもしれない方の、心の準備になればうれしいです。
この記事でわかること
- 投資歴約10年の私が実際に経験した暴落(コロナショック)のリアル
- 暴落のとき、意外と怖くなかった3つの理由
- 「買い増し」で私がやってしまった失敗
- 暴落と上手に付き合うために、初心者に知っておいてほしいこと
私が経験した暴落は「コロナショック」
ポイント: 私が投資を始めてから経験した本格的な暴落は、コロナショックくらいです。当時はS&P500に連動する投資信託の積立だけをしていました。資産は大きく減りましたが、それまでの利益のおかげで、トータルの収支はギリギリでプラスのまま。「利益の大半が消えた」という状態でした。
正直にお伝えすると、私が「これぞ暴落」と呼べるものを経験したのは、コロナショックくらいです。ほかにも小さな下落は何度もありましたが、世間で「◯◯ショック」と名前がつくような大暴落は、これが初めてでした。
当時の私は、まだ配当株などはやっておらず、S&P500に連動する投資信託を、毎月コツコツ積み立てているだけでした。そこにコロナショックが直撃し、評価額はみるみる下がっていきました。
ただ、幸いだったのは、それまで数年間コツコツ続けてきた「利益のクッション」があったことです。おかげで、資産は大きく減ったものの、投資したお金の合計を下回る「元本割れ」にはならず、トータルの収支はプラスを保っていました。感覚としては「増えていた利益の大部分が、一気に吹き飛んだ」という感じです。
⚠️ 正直な補足:私が元本割れせずに済んだのは、数年続けて利益の余裕があったからです。もし投資を始めたばかりのタイミングで暴落に当たっていたら、普通に元本割れしていたはずです。「暴落=必ず利益が残る」ではない点は、誤解のないようにお伝えしておきます。
→ その後に始めた「配当株」については、こちらで正直に書いています:
投資信託だけでいい?投資歴10年の私が配当株も持ち続ける理由と失敗
意外と怖くなかった、3つの理由
ポイント: 評価額が減っていくのを見ても、私はあまり恐怖を感じませんでした。むしろ「今のうちに買い足したい」という気持ちのほうが強かったくらいです。理由は「余裕資金だった」「どうせ戻ると思えた」「利益がまだ残っていた」の3つ。この3つは、初心者が暴落に耐えるための再現できるヒントでもあります。
自分でも意外だったのですが、評価額が減っていくのを見ても、私はあまり怖くありませんでした。「売らなきゃ」という焦りではなく、むしろ「今が安いんだから、買い足したい」という気持ちのほうが強かったくらいです。
なぜ慌てなかったのか。振り返ると、理由は3つあります。
- ① 使う予定のない「余裕資金」でやっていた——投資に回していたのは、当面の生活に必要のないお金でした。だから「今すぐ売って現金化する必要がない=相場が戻るまで待てる」と思えました。これが一番大きな理由です。
- ② どうせそのうち戻る、と思えた——長期でコツコツ続けるつもりだったので、目先の下落は「通り道」だと考えられました。
- ③ 利益のクッションが残っていた——大きく減ったとはいえ、まだトータルではプラス。この安心感が、冷静さを保たせてくれました。
特に大事なのは①です。暴落で狼狽売りしてしまう人の多くは、「近く使うお金」まで投資に入れてしまっているのだと思います。生活費や、数年以内に使う予定のお金で投資していたら、私も同じ暴落で生きた心地がしなかったはずです。
⚠️ ②について正直に補足:全世界株やS&P500は、過去のどの暴落からも回復してきました。ただし回復にかかる時間は毎回バラバラです(コロナは数ヶ月でしたが、リーマンショックのように数年かかった例もあります)。「必ずすぐ戻る」と決めつけるのは禁物です。
→ 暴落で慌てないための土台=生活防衛資金の考え方:
生活防衛資金はいくら必要?目安は生活費の3〜6ヶ月分【世帯別の早見表つき】
→ 感情に振り回されないための考え方:
投資を続けるためのメンタル管理|感情に負けない投資家の思考法
それでも、私はこんな失敗をした
ポイント: 「売ろう」とは一度も思いませんでした。その代わり、「買い増したい」という気持ちが暴走しました。積立は続けたうえで、余裕資金でスポット購入(追加の買い付け)をしたのですが、暴落の”序盤”で資金を入れすぎてしまい、本当に一番下がった局面では、もう資金がほとんど残っていませんでした。
暴落のあいだ、「売ろう」とは一度も思いませんでした。その一方で、「今のうちに買い足したい」という気持ちは、かなり強くなっていきました。
そこで私は、毎月の積立はそのまま続けながら、**余裕資金を使って追加の買い付け(スポット購入)**を始めました。ここまでは良かったのですが——
- 下がり始めた序盤で「今が買い時だ」と、余裕資金を一気に投入してしまった
- ところが相場はそこからさらに下がり続けた
- 本当に一番安かった局面では、もう買うための資金がほとんど残っておらず、少ししか買えなかった
……という、なんとも締まらない結果でした。「安く買いたい」という気持ちが先走って、一番のバーゲンセールのときに、財布が空っぽだったわけです。
冷静に考えれば当たり前で、相場の「底」がどこかは、誰にもわかりません。どこが底か分からないのに、序盤で全部使ってしまえば、さらに下がったときに動けなくなるのは当然でした。
→ 暴落時にやってはいけないことの整理:
株価暴落時にやってはいけないこと|長期投資家の正しい対応法
回復は、意外なほど早かった
ポイント: コロナショックからの回復は、思っていたよりずっと早く訪れました。戻ったときの正直な気持ちは「もう戻っちゃったのか」。もっと下がっている間に、じっくり買い増したかったからです。ただし、これは”回復が速かった例”であって、いつもこうとは限りません。
私が持っていたのはS&P500連動の投資信託だったので、回復のペースもS&P500とほぼ同じでした。そして、その回復は思っていたよりもずっと早くやってきました。
戻ったときの正直な気持ちは、安堵ではなく——**「あれ、もう戻っちゃったのか」**でした。序盤で資金を使い果たしていた私は、「もっと下がっている時間が続けば、資金を用意して、じっくり買い増せたのに」と、少し悔しかったのです。
この経験から言えることが2つあります。
- 慌てて売っていたら、この急な戻りを取り逃していた。暴落で一番怖いのは、下落そのものより「底で売って、回復前に市場から降りてしまう」ことです。
- 「底で待ち構えて買う」作戦は、思っている以上に難しい。身構えているうちに、あっという間に戻ってしまうこともあるからです。
⚠️ 補足:コロナショックは、歴史的に見ても回復がかなり速かったケースです。リーマンショックのように、元の水準に戻るまで数年かかった暴落もあります。「暴落してもすぐ戻る」と一般化はできない点に注意してください。
→ 暴落からの下落・回復のリアルをデータで見る:
オルカンは暴落したらどうなる?過去データで見る下落・回復のリアル
この経験で、私が変えたこと
ポイント: コロナの経験から、私は「多少の下げで焦ってスポット購入する」のをやめました。ただし、はっきりした暴落局面での買い増しを全否定するわけではありません。あの時スポット購入した分は、今では含み益になっています。大事なのは「底は狙わず、余裕資金を計画的に段階的に」です。
この失敗から、私は投資のやり方を少し変えました。
まず、ちょっと下がったくらいで焦ってスポット購入するのは、やめました。小さな下げにいちいち反応していると、本当のチャンスで資金が尽きるからです。日々の値動きは気にせず、メインはあくまで淡々と積立を続ける——これが基本です。
ただ、正直に言うと、暴落そのもので買い増したこと自体は、間違いではなかったと思っています。あのときスポット購入した分は、今では含み益になっていて、淡々と積立だけを続けた場合よりも、結果的に資産は多く増えています。「安いときに買えた」効果は、たしかにありました。
矛盾しているようですが、私の結論はこうです。
- 小さな下げでの「焦り買い」はしない(=失敗のもと)
- でもはっきりした暴落のときは、買い増す価値はある——ただし次のルールを守る
- ① 使う予定のない余裕資金の範囲だけで(生活費・積立の原資・ましてや借金は絶対に使わない)
- ② 一度に突っ込まず、計画を立てて、何回かに分けて段階的に(底は誰にも分からないから)
- ③ メインの積立は、何があっても淡々と続ける
「底は当てられない」と認めたうえで、焦らず、計画的に、少しずつ。これがコロナの失敗から得た、私なりの答えです。
→ そもそも毎月一定額で買う積立が強い理由:
ドルコスト平均法とは?積立投資が最強な理由をわかりやすく解説
→ 私が普段やっている積立の中身はこちら:
投資歴10年の私がやっている積立設定と、続けるためにやめたこと
これから初めて暴落を経験する人へ
ポイント: 一番伝えたいのは「あせらないこと」。狼狽売りは絶対にダメですし、焦って余裕資金を使い果たすのもダメ。そして、どんなにチャンスに見えても、生活防衛資金だけは投資に入れないでください。
最後に、これから初めて暴落を経験するかもしれない方へ、私が一番伝えたいことをお話しします。
それは、**とにかく「あせらないこと」**です。
自分のお金が日に日に減っていくのを初めて見ると、誰でも不安になります。でも、そこで一番やってはいけないのが、恐怖に負けての狼狽売りです。売った瞬間に損が確定し、しかも相場はいつ急回復するか分かりません。私自身、売らずにいたからこそ、その後の回復の恩恵を受けられました。
そしてもう一つ、逆方向の注意もあります。「チャンスだ」と焦って、余裕資金を一気に使い果たすような買い方もしないこと。これは私が実際にやってしまった失敗です。
さらに、これだけは強くお願いしたいのですが——どんなに「今が絶好のチャンスだ」と思っても、生活防衛資金にだけは手を出さないでください。理由は2つ。相場の底は誰にも分からないこと。そして、投資とは関係なく、急な病気やケガなどでお金が必要になることが、人生には起こりうるからです。生活防衛資金は、その「もしも」に備える最後の砦です。
暴落は怖いものに見えますが、「使う予定のないお金で、淡々と続けている」限り、実はそれほど恐れるものではありません。私の実感として、心の準備さえあれば、乗り切れます。
よくある質問
Q. 暴落が怖くて、投資を始められません。どうすればいいですか?
まずは**「使う予定のない余裕資金」で、少額から始める**のがおすすめです。生活費や近く使うお金でなければ、暴落が来ても「回復を待つ」という選択ができ、精神的にずっとラクです。私が暴落で慌てずに済んだ最大の理由も、これでした。
Q. 暴落は「買い増しのチャンス」というのは本当ですか?
長期的には、結果としてプラスに働くことが多いのは事実です(私自身、暴落時に買い増した分は今も含み益です)。ただし相場の底は誰にも読めません。焦って一度に投入せず、余裕資金を計画的に、何回かに分けて買うのが安全です。そして生活防衛資金は絶対に使わないでください。
Q. 暴落したら、積立は止めたほうがいいですか?
むしろ止めないほうがいいと考えます。暴落中はいつもより安く買えているので、淡々と積み立てるほど、平均の買値を下げられます。私もコロナのとき、積立設定は一度も止めませんでした。
Q. 暴落から回復するまで、どのくらいかかりますか?
ケースによって大きく異なります。コロナショックは数ヶ月で回復しましたが、これはかなり速かった例です。リーマンショックのように、元の水準に戻るまで数年かかった暴落もあります。「すぐ戻る」と決めつけず、長い目で待てる余裕資金で臨むことが大切です。
まとめ:暴落は「余裕資金と心の準備」で乗り切れる
最後に、この記事の内容をまとめます。
- 私が経験した本格的な暴落はコロナショック。当時はS&P500投信の積立だけで、利益の大半は消えたが元本割れはしなかった
- 意外と怖くなかった理由は3つ:余裕資金だった/どうせ戻ると思えた/利益のクッションがあった
- 失敗は「買い増しの焦り」。序盤で資金を入れすぎて、本当の底で動けなかった
- 学んだのは、あせらない・狼狽売りしない・買い増すなら余裕資金を計画的に段階的に・生活防衛資金は絶対に投資に入れない
暴落は、経験する前は誰でも怖いものです。でも、使う予定のないお金で、淡々と続けている限り、必要以上に恐れるものではありません。この記事が、あなたが最初の暴落を落ち着いて迎えるための、心の準備になればうれしいです。
なお、ここで紹介したのはあくまで私個人の一例です。相場に「絶対」はありませんので、ご自身の状況に合わせて、無理のない範囲で判断してください。