先に結論: 私の積立は「SBI証券で、オルカン+S&P500を毎月定額・自動積立」——これだけです。約10年続けてこられた最大の理由は、特別なテクニックではなく、「毎日の値動きチェック」と「タイミングを計った売買」をやめたこと。続ける秘訣は意志の強さではなく、「何もしなくても続く仕組み」にあります。
このブログではこれまで、投資の考え方や手順を「解説」する記事を書いてきました。今回は少し趣向を変えて、私自身が実際にやっている積立の中身と、約10年続ける中でやめてよかったことを、実体験ベースでお話しします。
「投資を10年続けている人が、実際どうしているのか」——教科書には載っていない一例として、参考にしてもらえたらうれしいです。
この記事でわかること
- 投資歴約10年の私が実際にやっている積立設定の中身
- オルカンとS&P500を組み合わせている理由(と正直な注意点)
- 続けるためにやめた2つのこと(毎日の値動きチェック・タイミング売買)
- 10年続けてわかった「続く仕組み」のつくり方
私が実際にやっている積立設定
ポイント: SBI証券で「オルカン+S&P500」を毎月定額・自動積立。金額は手取りの1〜2割の範囲内。一度設定したら、基本的にさわりません。
まず、現在の私の積立設定を包み隠さずお見せします。
| 項目 | 私の設定 |
|---|---|
| 証券会社 | SBI証券(ネット証券) |
| 積み立てている商品 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) + eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
| 買い方 | 毎月定額の自動積立(NISAを活用) |
| 金額 | 手取りの1〜2割の範囲内 |
| 設定をさわる頻度 | ほぼゼロ(見直すか考えるのは年に数回程度) |
資産形成の土台となる積立は、見てのとおり拍子抜けするほどシンプルです。値上がりしそうなテーマを探したり、チャート分析をしたりはしていません。「低コストのインデックスファンドを、毎月自動で、同じ金額だけ買う」——これを淡々と繰り返しているだけです。
なお、この積立とは別に、配当金狙いの国内株式も一部持っています。ただしそれはあくまで脇役で、資産の土台はこの積立です(個別株の話は、また別の機会に書こうと思います)。
ポイントは「自動」であること。毎月自分の手で買い付けていると、「今月は高い気がするからやめておこうかな」という迷いがどうしても入ります。自動積立にしてしまえば、私の意志力とは無関係に投資が続きます。10年続いた理由の半分は、この仕組みのおかげだと思っています。
→ 積立設定の具体的な手順はこちら:
SBI証券で積立設定する方法【スマホ版・新NISA対応】
なぜオルカン+S&P500の組み合わせ?(正直な話)
ポイント: 教科書的には「どちらか1本で十分」です。中身の6割前後は重複しています。それでも私は「世界全体を土台に、米国を少し厚めに」という自分の納得感を優先して、両方を積み立てています。
オルカンの中身の6割前後は米国株です。そこにS&P500を重ねても、米国の比率がさらに高まるだけ——「それなら、どちらか1本で十分では?」という指摘は、そのとおりだと思います。ここは隠さずに認めたうえで、それでも私が両方を積み立てている理由をお話しします。
- 土台は全世界:将来どの国が成長するかは誰にもわからないので、基本は世界全体に任せたい
- 米国は少し厚めに:そのうえで、これまで世界経済をけん引してきた米国に、自分の判断で少しだけ比重を置きたい
- この配分なら、下がっても納得して続けられると自分で思えた
大事なのは最後の一つです。投資配分の「正解」を外に求めるより、下落局面でも「自分で決めた配分だから」と納得して続けられるかのほうが、長期投資ではずっと重要だと感じています。逆に言えば、「オルカン1本のほうがシンプルでいい」と納得できる人は、それが正解です。
→ オルカンの特徴はこちら:
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)とは?期待リターン・特徴を解説
→ S&P500ファンドの特徴はこちら:
S&P500インデックスファンドとは?過去リターン・おすすめファンドを解説
続けるためにやめたこと①:毎日の値動きチェック
ポイント: 評価額を毎日見ると、感情が揺さぶられるだけで、長期投資には何のプラスもありませんでした。私は確認を「週1回程度」に減らしてから、投資がぐっとラクになりました。
投資を始めたばかりの頃の私は、毎日のように評価額をチェックしていました。投資信託の基準価額は1日1回しか更新されないのに、毎日アプリを開いては、上がっていても下がっていても、そのたびに気持ちが揺れて落ち着かない——そんな状態でした。
でも、あるとき気づいたんです。毎日見ても、やることは何も変わらないと。毎月自動で積み立てる方針なのだから、今日の評価額が上がっていようが下がっていようが、取るべき行動は同じ「何もしない」です。つまり毎日のチェックは、感情を揺さぶられるだけで一つも良いことがありませんでした。
しかも人間には、利益の喜びより損失の痛みを2倍ほど強く感じる性質(損失回避性)があると言われます。相場は上がったり下がったりを繰り返すので、毎日見ると「痛い日」を頻繁に体験することになり、投資そのものが嫌になりやすいのです。
今の私は、評価額を見るのは週1回程度。見ても「売る・買う」の判断はせず、「ちゃんと積み立てられているな」と眺めるだけです。見る回数と見方を変えてから、相場のニュースに心をかき乱されることがなくなり、投資は生活の背景に溶け込みました。「気にしすぎないくらいがちょうどいい」というのが、10年やってきた実感です。
→ 感情に振り回されないための考え方:
投資を続けるためのメンタル管理|感情に負けない投資家の思考法
続けるためにやめたこと②:タイミングを計った売買
ポイント: 底を狙って買おうとするほど、裏目に出ました。少し下がったところで買って資金を使い切り、本当に安いときには動けない——私は「タイミングは当てられない」と認めて、土台は機械的な積立に一本化しました。
もう一つやめたのが、買うタイミングを計ることです。
昔の私は、「下がったところで買えば得だ」と考えて、タイミングを計った買い付けをよくしていました。ところが実際にやってみると——
- 少し下がったところで「今が買い時だ」と、手持ちの資金で買ってしまう
- その後もっと大きく下がったのに、追加で買う余剰資金が残っていない
- 結局、いちばん安く買えるはずの場面を、指をくわえて見ているだけ
……という残念なパターンでした。冷静に考えれば、世界中のプロが競い合っている市場で、素人の私が「どこが底か」を当てられるはずがないんです。
そこで私は、「タイミングは当てられない」と認めることにしました。毎月決まった日に、決まった金額を、機械的に買う。高い月は少なく、安い月は多く口数が買える「ドル・コスト平均法」に、判断をすべて任せる。この切り替えをしてから、日々の「いつ買うべきか」という悩みが消えました。
積立に一本化してからも、大きな下落は何度か経験しましたが、積立設定は変えませんでした。昔と違うのは、日常の小さな下げに飛びつかなくなったぶん、余裕資金が手元に残っていること。そのおかげで、明らかな暴落のときだけ、余裕資金の範囲で**スポット購入(積立とは別の追加買い付け)**をする余裕も生まれました。小さな下げで資金を使い果たし、本当に安いときに動けなかった昔とは、正反対です。
→ 毎月一定額で買う仕組みの強み:
ドルコスト平均法とは?積立投資が最強な理由をわかりやすく解説
→ 下落局面での行動指針:
株価暴落時にやってはいけないこと|長期投資家の正しい対応法
10年続けてわかった「続く仕組み」のつくり方
ポイント: 投資を続けるコツは、意志の強さではなく仕組みです。①自動積立にする ②見る回数を減らす ③ルールを先に決めておく——この3つで「がんばらなくても続く」状態をつくれます。
私の10年を振り返って、「これから始める人に伝えるなら」という視点でまとめると、続けるための仕組みは次の3つに集約されます。
①「自動積立」にして、意志の力に頼らない
毎月手動で買うのではなく、証券会社の自動積立を設定してしまうこと。人間の意志は、相場が荒れた日には簡単に揺らぎます。仕組みに任せてしまえば、揺らいだ日も投資は勝手に続きます。
② 見る回数を減らして、感情の揺れを減らす
評価額のチェックは多くても週1回、慣れてくれば月1回でも十分です。毎日見ても取るべき行動は変わらず、感情が揺れるだけです。「見ない工夫」は、サボりではなく長期投資の立派な戦略です。
③「下がってもこうする」を先に決めておく
暴落が来てから考えると、恐怖に判断を乗っ取られます。「下がっても積立は止めない・売らない」と平時のうちに決めておくことで、いざというときに慌てずに済みます。私が下落局面で設定を変えずに済んだのは、事前にルール化していたからでした。
→ そもそもなぜ長期で続けると有利なのか:
長期投資が最強な理由|複利と時間が生む資産形成の力
よくある質問
Q. オルカンとS&P500を両方買うのは無駄ではないですか?
中身の6割前後が重複しているのは事実で、教科書的にはどちらか1本で十分です。私の場合は「世界全体を土台に、米国を少し厚めにしたい」という納得感を優先して両方を積み立てています。合理性だけでなく「自分が下落時にも納得して続けられる配分か」で決めるのがおすすめです。
Q. 積立金額はどうやって決めましたか?
生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を先に確保したうえで、手取りの1〜2割の範囲内に収めています。無理のない金額に抑えているからこそ、相場が悪い時期でも積立を止めずに済んでいます。
→ 金額の決め方の詳細:
毎月いくら投資すればいい?初心者向けに無理のない投資額の決め方を解説
Q. 10年の間には暴落もあったはずです。どうしていましたか?
大きな下落は何度か経験しましたが、積立設定は一度も変えませんでした。「下がっても同じ金額を淡々と買う」と先に決めてあったので、慌てて売ることはなく、むしろ「安く買える時期」と捉えて、余裕資金の範囲でスポット購入をしたこともあります。売らずに続けたことが、結果的に一番の正解だったと感じています。
Q. これから始める人が、まず真似できることは何ですか?
「自動積立の設定」だけで十分です。商品は低コストのインデックスファンド(オルカンなど)を1本選び、無理のない金額で自動積立を設定する。あとは「毎日見ない」「タイミングを狙わない」を守るだけで、私のやってきたことはほぼ再現できます。
まとめ:特別なことをしない、が10年続いた理由
最後に、この記事の内容をまとめます。
- 私の積立は**「SBI証券で、オルカン+S&P500を毎月定額・自動積立」**。チャート分析もテーマ株探しもやっていない
- オルカン+S&P500の併用は教科書的には重複だが、自分が納得して続けられる配分を優先した
- 続けるためにやめたことは2つ:毎日の値動きチェックとタイミングを計った売買
- 続けるコツは意志ではなく仕組み。①自動積立 ②見る回数を減らす ③ルールを先に決める
投資歴10年というと何か特別な技術があるように聞こえるかもしれませんが、実際にやってきたのは「特別なことをしない仕組みづくり」でした。この記事が、「これなら自分にもできそう」と思うきっかけになればうれしいです。
なお、ここで紹介したのはあくまで私個人の一例です。最適な商品や金額は人それぞれなので、ご自身の状況に合わせて、無理のない形から始めてみてください。