先に結論: NISAは「いつでも売れる」ので、貯金代わりにできそうに見えます。それでも私は、生活費や買い物のためにNISAを売ったことが一度もありません。特定口座も同じです。 NISAを含む投資用の口座の手前に、「生活用」と「貯蓄用」の2つの口座を置いているからです。**私の場合、これまでお金が必要になっても、投資用の口座までたどり着かずに済んでいます。**ただし——生活防衛資金がまだない段階なら、この順番は使えません。
NISAは元本が保証された預金ではありません。それでも売ればお金になり、引き出すこともできます。
だから、こんな声を見かけます。
「NISAなら増えるし、いざとなれば売ればいい。貯金はいらないのでは」 「貯金の代わりに、毎月NISAで積み立てている」
一般的には「10年以上使わないお金なら、貯金代わりにしてもよい」と言われます。 この考え方には理由があり、私も間違っているとは思いません。
そのうえで私は、NISAを貯金の代わりにはしていません。 この記事では、私がお金をどこに置いているかを正直に書きます。あわせて、一人で決めていたころと、家族で決めるようになってからで、線の引き方がどう変わったかも書きます。
この記事でわかること
- NISAが「貯金代わり」として扱いにくい理由
- 私が使っている3つの置き場所(生活用・貯蓄用・投資用)の役割
- 大きな出費があるときに、どこから出すか
- 独身時代と結婚後で、線の引き方がどう変わったか
- この形が向かない段階(生活防衛資金がないとき)
NISAは「いつでも売れる」。でも貯金とは役割が違います
ポイント: 売れるかどうかではなく、「必要なときに、いくらで売れるか分からない」ことが問題です。
NISAで買った投資信託や株は、いつでも売れます。 2024年からのNISAは保有できる期間に期限がなく、売った分の枠(買ったときの金額分)は翌年以降にまた使えます。
貯金と違うのは、値段が毎日動くことです。貯金(預金)は、預けた元本を基本的にそのまま引き出せます。
お金が急に必要になる場面——病気やけが、仕事の変化、急な修理——は、相場とは関係なくやってきます。 その日がたまたま大きく値下がりした日でも、必要なら売らざるを得なくなるかもしれません。
「長く置けば増えやすい」ことと、「必要な日にいくらになっているか」は別の話です。私がNISAを貯金代わりにしないのは、後者を自分で選べないからです。
私のお金の置き場所は3つあります
ポイント: 生活用・貯蓄用・投資用の3つに分け、出すときは手前から。NISAを含む投資用の口座は、最後の置き場所です。
私はお金を、役割の違う3つの場所に分けています。
| 置き場所 | 役割 | お金を出すとき |
|---|---|---|
| 生活用口座 | 毎月の生活費と、ふだんの出費 | まずここから出す |
| 貯蓄用口座 | いざというときのためのお金 | なるべく出さない |
| 投資用の口座(NISA・特定口座) | 長く持つための投資 | 生活のためには出さない |
毎月の流れはシンプルです。生活費を分けたあとの残りの中で、まず投資に回す額を決めて証券口座へ移します。 その残りが、貯蓄用口座に少しずつ積み上がっていきます。
正直に書くと、貯蓄用口座にいくら置くかは、はっきり決めていません。 当面の生活費はすでに現金でたまっているので、今は「投資に回す額を先に決め、残りが貯金になる」という形で回っています。
なお、投資用の口座には、持っている株の配当金も入ります。配当金だけは別で、家計とは別の私個人用の口座に移して、使うことにしています。
→ 配当金を使うことにしている理由:
投資信託だけでいい?投資歴10年の私が配当株も持ち続ける理由と失敗
→ 証券口座への入金を自分で行っている理由はこちら:
クレカ積立はやめとけ?デメリットと私がやらない理由
大きな出費は、生活用口座から出す
家電の買い替えや旅行のような大きな出費は、まず生活用口座から出せるかを考えます。
貯蓄用口座のお金は、いざというときのために、なるべく残しています。生活用口座で足りないときは、貯蓄用口座から出すのではなく、まず今それを買うべきかを考え直します。
我慢というより、順番を決めているだけです。
投資を始めてから、生活のためにNISAも特定口座も売ったことはありません
ポイント: 手前に2つの置き場所があるので、私の場合、これまでお金が必要になっても投資用の口座までたどり着かずに済んでいます。
NISAも特定口座も、生活費や買い物のために売ったことは、一度もありません。 NISAについては、「いざとなったら売ればいい」と考えたことも、今のところありません。
これは意志が強いからではなく、仕組みの結果です。出費はまず生活用口座で受け止め、それでも足りなければ買うかどうかを考え直す。その手前には、ほとんど手をつけない貯蓄用口座があります。投資用の口座に手を伸ばす前に、2回止まる場所があるわけです。
相場が大きく下がったときも、「NISAを貯金代わりにしていたら困っていた」と感じたことは特にありません。投資用のお金を生活に使う予定が、最初からなかったからです。
→ 暴落のときに慌てなかった理由と、そのとき失敗したこと:
投資歴10年の私がコロナショックを経験した話|暴落で慌てなかった理由と失敗
独身時代は、生活用口座に一緒に置いていました
ポイント: 生活防衛資金は持っていましたが、別の口座には分けていませんでした。それで困らなかったのは、性格によるところが大きいと思います。
今の形になる前は、もっと単純でした。
投資を始める前は、収入から決まった額を貯蓄用口座にためていました。投資を始めてからは、その貯蓄をやめました。
生活用口座に**数か月分の生活費(生活防衛資金)**を残し、そこには手をつけない。それ以外のお金は、ほぼ投資に回していました。 貯蓄用口座に現金をためることは、ほとんどなくなっていました。
それで困ったことは、特にありません。同じ口座に入れておいても、生活防衛資金の分が減っていくことはなかったからです。
ただ、これは私の性格に合っていただけだと思っています。同じ口座にあると、「まだ残っている」と感じて生活費に使ってしまう人もいるはずです。
結婚して、貯蓄用口座を分けました
ポイント: 自分ひとりのお金ではなくなったので、相談して決めた額を「見える形」で残すことにしました。
3つに分ける今の形は、結婚がきっかけです。
正直に言うと、私は**「もう少し投資に回してもいいのでは」**と思っていました。生活防衛資金はあるし、独身時代もそれで困らなかったからです。
独身時代は、生活防衛資金があれば、それ以外はほぼ投資に回すと私ひとりで決めていました。でも結婚して、家計は私ひとりのものではなくなりました。配偶者と相談して、一定の額を貯蓄として残しておくことにしました。そして、その額がひと目で分かるように、口座を分けました。
1つの口座の中で「ここからここまでは貯蓄」と決めても、口座の残高を見ただけでは分かりません。口座を分けておけば、残すと決めた額がひと目で分かります。
→ 夫婦でNISAをどう管理しているか:
NISAは夫婦で分ける?まとめる?投資歴10年以上の実例
ただし、生活防衛資金がない段階では使えない順番です
ポイント: 「投資額を先に決めて、残りを貯金」は、生活防衛資金がたまったあとの話です。
ここまで読んで、「貯金は残りでいいなら、先に全部投資してもいい」と受け取られると困ります。
生活防衛資金がまったくない状態で、貯金をせずに投資に回すべきではない、と私は考えています。
私が今「投資に回す額を先に決める」形にしているのは、当面の生活費がすでに現金でたまっているからです。順番で言えば、こうなります。
- まず、生活防衛資金を現金でためる
- たまったら、投資に回す額を決めて積み立てる
- 残ったお金は、貯蓄として積み上がっていく
1の段階を飛ばしてNISAを貯金代わりにすると、困るのは急な出費のときです。値下がりしたNISAを売らなければならなくなるかもしれません。
→ 生活防衛資金の目安と考え方はこちら:
生活防衛資金はいくら必要?目安は生活費の3〜6ヶ月分【世帯別の早見表つき】
よくある質問
Q. NISAを売ると、そのお金はすぐに使えますか?
売ってすぐには使えません。 売る注文を出してから、お金が証券口座に入るまでに数日かかります。日数は商品によって違います。今日すぐ必要なお金を置いておく場所としては、私は向かないと考えています。
Q. NISAで売った枠は、なくなってしまいますか?
なくなりません。 売った分の枠(買ったときの金額分)は、翌年以降にまた使えます。 ただし、枠が戻るのは翌年以降です。売った年のうちには戻りません。
Q. 貯金はいくらあれば、NISAを始めてもいいですか?
一般的には「生活費の3〜6か月分」が目安とされます。 私は今、貯蓄用口座の額をはっきり決めていません。ただ、生活防衛資金がまったくない状態では始めない、という線だけは守っています。目安の考え方は、上で紹介した生活防衛資金の記事にまとめています。
Q. 口座を分けないと、うまくいきませんか?
そんなことはありません。 私も独身時代は分けていませんでした。同じ口座でも、生活防衛資金に手をつけずにいられるなら十分だと思います。私の場合は、家族と決めた額をひと目で分かるようにしたかったので、口座を分けました。
まとめ:貯金代わりにしないのは、売る日を選べないから
最後に、この記事の内容をまとめます。
- NISAはいつでも売れる。でも必要な日にいくらで売れるかは選べないので、貯金とは役割が違う
- 私はお金を生活用・貯蓄用・投資用(NISA・特定口座)の3つに分け、出すときは手前から
- 大きな出費は生活用口座から。足りなければ、買うべきかを考え直す
- だから、生活のためにNISAも特定口座も売ったことは一度もない(配当金だけは、私個人用の口座に移して使っている)
- 独身時代は生活用口座に一緒に置いていた。困らなかったのは性格によるところが大きい
- 結婚して、相談して決めた額を見える形で残すために口座を分けた
- ただし生活防衛資金がない段階では、投資を先にしない
「NISAは貯金代わりになるか」の答えは、人によって違います。私の場合は、ならないように置き場所を決めています。 お金が必要になったら、手前の2つの口座で受け止める。投資用の口座までは、たどり着かないようにしています。
なお、ここで紹介したのはあくまで私個人の考え方と一例です。制度の内容は変わることがありますので、必要に応じて金融庁や各金融機関の公式の案内をご確認ください。