先に結論: 成長投資枠でオルカンを買っても、まったく問題ありません。 「成長投資枠=攻める枠」というのは世の中のイメージであって、制度上のルールではないからです。私は枠を「性格」ではなく「サイズ」で使い分けて、上限の大きい成長投資枠のほうにオルカンを置いています。買い方も毎月同じ額で、つみたて投資枠と変わりません。
「成長投資枠って、結局なにを買えばいいんだろう」 「オルカンでいいのかな。せっかく何でも買える枠なのに、もったいない気がする」
新NISAを始めて、つみたて投資枠は決まった。でも成長投資枠で手が止まる——という方は多いと思います。
調べてみると、出てくるのは「成長投資枠は目的に合わせて設計する枠」「オルカンだけではもったいない」といった話ばかり。なんとなく、攻めないといけない気にさせられます。
この記事では、その空気にあえて逆らって、私が成長投資枠でオルカンを買っている理由を正直にお話しします。
この記事でわかること
- 「成長投資枠=攻める枠」は制度のルールではないということ
- 私が枠を「性格」ではなく「サイズ」で使い分けている理由
- 成長投資枠なのに、まとめ買いをしていない理由
- 「オルカンだけではもったいない」と言われたときの考え方
「成長投資枠は攻める枠」とは決まっていません
ポイント: 制度で決まっているのは「買える商品の幅が広い」ことだけです。
まず、事実の確認から。
つみたて投資枠と成長投資枠の違いは、おもに次の3つです。
- 年間に投資できる金額の上限(成長投資枠のほうが大きい)
- 買える商品の範囲(成長投資枠のほうが広く、個別株なども買える)
- 買い方(つみたて投資枠は積立のみ。成長投資枠はまとめ買いもできる)
ここに「成長投資枠では積極的な商品を買うこと」というルールはありません。幅が広いだけで、狭く使ってもいいのです。
「成長」という名前がついているので、つい「攻める枠」だと感じてしまいます。でもそれは名前から受ける印象であって、制度の中身ではありません。
→ 2つの枠の違いと基本の使い分けはこちら:
NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の使い分け方【初心者向け】
私が成長投資枠でオルカンを選んだ理由
ポイント: 商品を枠に合わせたのではなく、先に決めた配分に枠を合わせました。
ここからは私の話です。順番に書きます。
① まずインデックス投資に決めた
私が投資先を考えたとき、最初に決めたのは「インデックス投資でいく」ということでした。長く持ち続けることを前提にしたときに、自分にはこれがいちばん合っていると考えたからです。
※これは私の判断であって、「インデックスが正解」という話ではありません。
② 次にオルカンを多めにすると決めた
候補として最後まで残ったのは、**オルカン(全世界株式)とS&P500(米国株式)**の2つでした。
悩んだ末にオルカンを多めにしたのは、こう考えたからです。
長く持ち続けることを考えると、アメリカ一国に集中させるより、全世界に分散させたほうが安心して持てる。
どちらのリターンが高いかは、私には分かりません。ただ、安心して持てるかどうかは、続けられるかどうかに直結します。私はそちらを優先しました。
→ 2つの違いはこちらで比べています:
オルカンとS&P500はどっちがいい?初心者向けに違いを徹底比較
③ 最後に、枠を「サイズ」で割り当てた
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
オルカンを多めにすると決めた時点で、やることは決まりました。
年間の上限は、成長投資枠のほうが大きい。だから、上限の大きい成長投資枠のほうにオルカンを置いた。 それだけです。
つみたて投資枠がS&P500になっているのは、残ったほうに入れただけで、深い理由はありません。
- つみたて投資枠=守り
- 成長投資枠=攻め
- 枠の性格に商品を合わせる
- 先に配分を決める
- 上限の大きい枠に、多く持ちたいほうを置く
- 枠のサイズで割り当てる
「枠の性格に合わせて商品を選ぶ」のではなく、「自分の配分を先に決めて、枠をサイズで割り当てる」。この順番なら、成長投資枠でオルカンを買うことに何の迷いもなくなります。
買い方も、つみたて投資枠と同じです
ポイント: まとめ買いができる枠ですが、私は毎月同じ額で買っています。
成長投資枠のもう一つの特徴は、好きなタイミングでまとめて買えることです。「年の初めに一括で」という考え方もよく紹介されます。
それでも私は、毎月同じ額を積み立てる設定にしています。 ボーナス月に上乗せする設定も使っていません。
つまり私は、成長投資枠をつみたて投資枠と同じように使っているわけです。商品も攻めていませんし、買い方も攻めていません。
⚠️ これが正解だと断言はできません。 「早く多く入れたほうが、市場にいる期間が長くなるぶん有利」という考え方にも理屈があります。私は結果の最大化より、毎回判断せずに続けられることを優先しているだけです。
→ 毎月同じ額にしている理由はこちらで詳しく書きました:
積立NISAは1回だけ増額できる?タイミングと注意点
「オルカンだけではもったいない」と言われたら
ポイント: 攻めるのもアリです。ただし枠は有限なので、損得ではなく配分の問題になります。
念のため書いておくと、私は「成長投資枠で攻めるのは間違いだ」とは思っていません。
たとえば高配当株に投資したい人なら、成長投資枠で高配当株を買うのは合理的だと思います。配当にかかる税金が非課税になるので、枠の使い道としてはむしろ相性がいいくらいです。
私自身は、NISAで買っているのはオルカンとS&P500だけです。個別株や高配当株は、NISAでは買っていません。
ただし——ここは正直に書きます。
NISAの枠には上限があります。だから、インデックスに多く配分するほど、攻めるための枠は少なくなります。
これは損得の話ではなく、単純な配分の問題です。「どちらも好きなだけ」というわけにはいかない。私は前者に寄せた、というだけのことです。
攻めなかったことの見返り
ポイント: 判断する場面が消えるので、気持ちが上下しなくなります。
正直な感想を書きます。
成長投資枠をオルカンにして、感情の浮き沈みがなくなりました。
毎月の積立設定をしてしまえば、あとは放置です。「今月はどれを買おうか」「今が買い時だろうか」と考える場面が、そもそも発生しません。
そして——物足りないとも感じていません。
これは自分でも意外でした。攻めていないぶん退屈するかと思っていたのですが、実際にはすっきりしているという感覚のほうが強い。気持ちが動かないから、続けやすいのです。
攻める選択をすれば、値動きを見る回数は確実に増えます。上がれば嬉しく、下がれば落ち着かない。その分の時間と気持ちを使わずに済んでいる、というのが、私が受け取っている見返りです。
もちろん、その代わりに大きく増える可能性は手放しています。どちらを取るかという話で、優劣ではありません。
→ 配当株については、NISAの外で持ち続けています:
投資信託だけでいい?投資歴10年の私が配当株も持ち続ける理由と失敗
よくある質問
Q. つみたて投資枠を使わず、成長投資枠だけを使ってもいいですか?
制度上は問題ありません。 ただし一生で使える非課税の枠のうち、成長投資枠で使えるのは一部までと決められています(残りはつみたて投資枠でしか使えません)。長い目で見ると、両方使ったほうが非課税で持てる総額は大きくなります。
Q. あとから「やっぱり別のものを買いたい」と思ったら変えられますか?
変えられます。 積立の設定はいつでも変更できます。また、NISAで保有している商品を売った場合、その分の枠は翌年に復活します(その年のうちには戻りません)。「一度決めたら一生そのまま」ではないので、必要以上に構えなくて大丈夫です。
Q. 成長投資枠で買ったオルカンは、つみたて投資枠のものと別扱いになりますか?
枠ごとに分けて管理されますが、中身は同じ商品です。 値動きも同じように動きます。表示のされ方は金融機関によって違うので、保有一覧の見え方は各社の画面で確認してみてください。
Q. 高配当株を成長投資枠で買えば、配当金も非課税になりますか?
受け取り方の設定によります。 配当金を証券口座で受け取る方式にしていないと、NISAで買っていても配当に税金がかかってしまいます。設定は自分で選ぶ項目なので、高配当株を狙うなら先に確認しておくと安心です。
→ 受取方法の違いはこちら:
配当金の受取方法とは?4種類の違いとNISAで損しない設定を解説
まとめ:枠は「性格」ではなく「サイズ」で選んでもいい
最後に、この記事の内容をまとめます。
- 「成長投資枠=攻める枠」は制度のルールではない。決まっているのは「買える商品の幅が広い」ことだけ
- 私は先に配分を決めて、上限の大きい成長投資枠のほうにオルカンを置いた。枠を性格ではなくサイズで割り当てた
- 買い方も毎月同じ額。まとめ買いができる枠だが、あえて使っていない
- 攻めるのもアリ。ただし枠は有限なので、損得ではなく配分の問題になる
- 攻めなかった見返りは、判断する場面が消えて、気持ちが上下しなくなること
「成長投資枠なのにオルカンでいいのかな」と迷っている方に伝えたいのは、その迷いは制度から来ているのではなく、枠の名前から来ているということです。
自分の配分が先で、枠はあと。この順番で考えると、選ぶものはずっとシンプルになります。
なお、ここで紹介したのはあくまで私個人の考え方と一例です。制度の詳細や商品の取り扱いはご利用の金融機関によって異なりますので、必要に応じて公式の案内もご確認ください。